AVを見ていないけどAV売上データを解析している話
前世からの業が深いので、ある課題において以下のテーマで解析している。
AV売上データからどういった要素が売上効果に貢献するか
— みたぬ (@srknr) 2016年11月11日
参考にしているのはDMM.comの月間売上データだ。
ここには「タイトル」「出演者」「発売日」「価格」の4項目が掲載されているので、これからどういった要素が上位売上になっていくのかを予測していく。
ただここでまず一つの疑問にぶち当たった。
「仮説はどうしたらいいんだ……?」と。
例えばだが、ワインの売上を予測する際に「たぶんアルコール濃度が高ければ、ユーザーはおいしいと思って買うことにつながるのでは。(本人が"どういう商品ならおいしいかをわかっている"状態) だから、成分データにおいてアルコール濃度値に絞って解析しよう!」という具合に、個人の経験・感覚を持った上である程度目星をつけて解析していく方が、まったく見当はずれの地点で進むより断然いいだろう。
だが私にはそれがない。誇張抜きで見たことがない。
(事故でそういうページに誘導されてgif画像ぐらいは眺めたことはあるが、それはAV常連者には「そんなものを含めるな」と怒られる程度の経験だろう)
それらの商品知識や商品体験がないままでも、もちろん解析はできるだろう。
仮にだが「男性は若い方がいいっていうし、若い女性である象徴とかアイテムがあれば……たとえば制服モノとか売れているのでは」と考えていこうと思った。
しかし繰り返す。
私はAVを見たことがない。
おそらく今後も滅多なことが生じない限りは、わざわざ時間を設けて見ようとも思わないと思う。(嫌いとか好きとかではなく、わざわざホラーゲームを買わないだろうといった個人由来の感覚の話なので、こればかりはどうしようもない。)
このまま解析してうっかり答えを導き出してしまうと、前述で例えに出した「男性は若い方がいいっていうし、若い女性である象徴とかアイテムがあれば売れているのでは」という偏見や先入観が覆され、さらには新たな分野に対する知的向上心が失われてしまうのではないだろうか。
これらの偏見や先入観が失われることで、今後の人生に何か影響を与えるかもしれない。もしかしたら与えない可能性が高いのかもしれないけど、それはやはりわからないことなのだ。
というわけで、予測する前に思った(知っている)こと・データを整理していて得た驚きを片っ端から偏見と先入観を持って記載しておく。
データを取る前
1. 知っているAV女優は上原亜衣さん・紗倉まなさんのお二人
上原亜衣さんは「電通大の人間が上原亜衣さんの相手役で出演してるぞ!」ということで、いろいろ盛り上がったので名前ぐらいはわかる。紗倉まなさんも同じように先輩から名前を聞いて覚えていた。「見たことはないがそういう名前の人が存在している」という認識なのだ。
ただ、AVを見ていない私ですら名前がわかるのだから、この二人はAV業界では女神・アイドル扱いは間違いないだろうと考えていた。
2. いろいろなジャンルがあるらしい
AVというよりエロゲの話かもしれないが、ストーリー重視の「泣かせるもの」、とにかく行為重視の「やるもの」、その中間というふうに分類されると思っている。そして以下の3点だ。
2.1.「JK」「人妻」「OL」であったり、出演者がストーリーで設定された職業で分類される
2.2. 出演者固有の属性「若い」「巨乳」といったもので分類されると思っている。
2.3. 「病院」「学校」などシチュエーションで分類されると思っている。
というあたりで
「紗倉まなさんが出ていたりとか、巨乳とか制服JK要素のモノが売れるかもしれない」などと漠然と考えていた。
データをまとめたあと
1. タイトルでほとんどストーリーが説明されている
これには本気で驚いた。
大体が「登校中のバスの中で大勢のリーマンに痴漢されて、女子高生の私のみずみずしい体が疼いちゃう!」とかそんな扇情的なタイトルなのだが、これだけで5W1Hが判明してしまう。これはすごいことだと思う。
私が最近買った村上春樹の小説なんて「恋しくて」だ。主人公も何も予測できない。
だからこそ私は「どういったストーリーなんだろう」とわくわくして読み、ときには最後に「なるほど、だからタイトルはこれだったのか」と感動したものだ。
しかしAVはそれらのユーザーへの感動体験は無視してでも、具体的に書いている。これはもはやタイトルじゃなくて説明文なのではないか。
それでも買われてしまうのだ。というより、むしろそういうものの方が上位にきている。どういうことなのだろうか。
2. 限定版がある
生写真や下着がつく。これも「え?マ?」という気持ちだった。
そりゃ自分だって欲しいゲームは限定版で買ってブックレットとか眺めたり飾ったりしちゃうわけだけど、下着でしょ?しかもその出演者が身につけたとは限らないのでは?生写真ならまだ大丈夫そうだけど下着とか飾れないし使えなくない?と、「どこにユーザーは掻き立てられるのだろうか。」といった疑問が尽きない。
3. 業界大手があるようだ
当たり前と言われたらそこまでなんだけど、メーカー名をまとめているといくつかのメーカーさんは頻出した。
主にプレステージ、エスワンナンバースタイル、ムーディーズ、SODクリエイトあたりである。上位にもがっつり食い込んでいるし、この業界にも大手メーカーとか当然あったのだ。
ニュースを見ていると"違法に騙されてAV出演した被害女性の話"をよく見るので、大手が2社ぐらいであとは零細企業がこぞって争う市場なのだと思っていたのだが……なんかカルチャーショックだった。
4. 値段が思ったより安い
平均値も中央値も取っていないが、データを整形していた具合では2~3000円がメジャーな気がした。
それ以上だときっと売れないのだろうし、それ以下だと出演者さんにきちんと利益が支払われているのか心配になりそうな価格だから、まあ納得といえば納得なんだけど、2~3000円は私の中では仲間内でリーズナブルに飲める予算である。その価格で一ヶ月ぐらいは楽しめるのか、という気持ちが生じた。
そして何よりゲームやアニメDVDより安い、ということに違和感を受けるのだ。
アニメDVD一本2話60分入っていて5~6000円ぐらいするのを考えると、120分3000円という価格設定は十分payできる気がした。
5. 上位は固定女優が占めている
それも高橋しょう子さん一人が占めている具合だった。何者かまったく知らなかったけど、やはり女神かアイドル扱いなのだろう。
逆に紗倉まなさんや上原亜衣さんのものは月間上位100ランキングで一作品しかでていなかった。出演のオフ時や売り出し時期の兼ね合いもあるのだろう。
まとめてないまとめ
といったあたりが、今回のデータ解析前にあたる感想だった。
文体に勢いがなくなってきているのは「……ああ、思い込みって怖いな」などと自分の物知らずについて反省していると思って欲しい。
データをザッと眺めただけでも、事前知識がないためにそもそもの仮定に間違いがありそうであるということに気づけた。特にタイトルの煽り要素なんて気にしてもいなかった。
これからのデータ解析もどうなるのだろうか。ここから先に進むのが怖い。