吉祥寺が好きだ
私は吉祥寺が好きだ。
といっても、吉祥寺全体を歩いたことはなく、せいぜい駅周辺〜井の頭公園あたりを指して「吉祥寺が好きだ」とのたまわっている。だから武蔵野市にお住いの方や通勤・通学されている人には「ニワカモノに何がわかる」と思われそうだが、それでも吉祥寺がすごく好きだ。
私と吉祥寺の最初のきっかけは、中学生の時に受けた模試会場決めのときである。
そのとき先生から、自宅から近すぎても緊張感が出ないだろうから、電車で乗って行く範囲のところで会場を選びなさいと言われていた。
当時仲がよかった友人たちと示し合わせてどこにしようか、なるべくわかりやすい場所がいいと話したところで、「吉祥寺にしよう!」と提案された。
個人的には住んでいるところから乗り換えなしで行ける明大前がよかったので、「なぜ吉祥寺?」と正直乗り気ではなかった。(これは私が昔から乗り物酔いをしやすい体質であり、井の頭線乗り換えには結構な準備と勇気を要したからである。)
しかし友人はすかさず「吉祥寺にはアニメイトがあるよ!」と言ってきた。
その一言で、私も吉祥寺を選択して模試を申し込んだ。(注釈しておくと、そのときの模試はちゃんといい成績をとっている)
初めての吉祥寺は、本当に魅力的だった。
食べ物のお店も雑貨のお店も洋服のお店も書店も、駅前周辺にたくさん揃っている。商店街がこんなに活気あふれていて、しかも洗練された商品も流行の商品も昔ながらの商品も全部揃っている。
本当に面白い街だと思った。
それからも何回か吉祥寺には足を運んだ。いまはもう廃盤になっているキングダムハーツトレーディングカードゲームの大会のために、アメニティドリームというカードショップにもお世話になる。
それまで私にとっての吉祥寺は、西武デパートやマルイもあるため、おしゃれな人が多く、そして学校もたくさんあるので学生が多いという印象だったのだけれども、ヲタクの人たちに紛れて色々とカードを漁るときは妙な安心感を覚えた。(ちなみに当時はまだブックオフができていなかった気がするのと、ヨドバシカメラは敷居が高くて行かなかった。)
そうした経験から「吉祥寺には色々なお店があって色々な人がいるんだな」という意識がついたのだと思う。
食べ物にも買い物にも趣味にも困らない。
どこまで歩いても飽きない街並み。
そういう楽しさが味わえる街がよかったのだと思う。
フォロワーさんに「渋谷はディズニーランドみたいだ。とにかく広くて魅力的なものがたくさんあって、キラキラした街並みでいつもにぎやか。」とおっしゃっていたのだけど、ならば私はこう思う。
「吉祥寺は、ディズニーシーみたいだ。」
程よく歩きまわれて、渋谷や池袋ほどには人も混雑せずしかしけして少なくなく、そして非常に魅力的なものに満ち溢れている。
井の頭公園あたりの自然が多いところも気に入っている。
駅周辺は都会の雰囲気が出ているのもとてもいい。
商店街の脇道に入ると、ちょっとアングラな店やサブカル感がある店が揃っているのもとてもいい。
とにかくなんでも受け入れ、何もかもを内包しているかのような雰囲気ながらでも何かが足りない、そんな吉祥寺が好きなのだ。
みんなも吉祥寺に一度足を運んでみてほしい。たのしい。