みたぬメモ

地味にメモ

10年やって行くためのプロの姿勢について考えさせられたのでまとめておく

先日、とある舞台挨拶イベントに行ってきた。

その作品は10年以上前に公開されたリバイバル上映で(詳細を書くと特定されそうなので茶を濁します)、当時のファンもキャストさんも言ってしまえば「仔細は覚えていない」状態ながらも、その作品が好きだからファンは集まっているという感じであった。

だから例えばキャストさんから「私の演じたキャラクターって@@@という感じだったんですね」という他人事発言や、明らかにコンディションが優れていないようなキャストさんが出てくる。もしこれがいま脂が乗っているコンテンツの舞台挨拶で、事務所が売り出したい役者さんの発言や行為だとしたらアンチがたくさん湧くようなものだとは思う。けどファンは「まあ10年以上前だしね、我々も覚えてないしキャストさんからしたらお仕事だからひとつひとつ覚えていられないよね。お仕事大変ですよね」という具合に、ファンも穏やかに見守るようなイベントだった。

ただ、そういった中でも嬉しいことを言ってくれるキャストさんが何人かいた。

 

「私も長年この仕事をやらせてもらっていて、演じさせていただく役に差をつけてはいけないと思うけど、でも@@というキャラクターはやはり自分の中でも特別なキャラクターです」

「この舞台挨拶に臨む前に、当時のインタビュー雑誌を読んだりして当時の現場のことを思い出してきました」

「私もこのシリーズを今、見返していて……やっぱりいいですね」

 

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そうした発言をしてくれたキャストさんたちは全員、主役級の役柄を演じてくださった。だから思い入れの部分では、他のちょっとした脇役を演じた役者さんたちとは比べ物にならない部分もあるとは思う。

けれど、あえて書きたい。

wikiの項目を指標に使うことは好ましくないと思うが、そのお三方は近年においても変わらず第一線でご活躍されている。さらに言えば、その三人のキャストさんはその分野に詳しくはなくても誰しもが一度ぐらいは名前を聞いたことがあるか、演じてくださった役柄の恩恵に与ったことがあると思う。

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いま自分が取り組んでいることをそもそも10年やるかどうかなんて目標が定まらないこともあると思うし、第一、10年間息切れすることなく続けることを幸せだと思わない人ももちろんいると思う。

ただ、一つ一つの仕事を丁寧に接していくことが結果として第一線で10年間以上も続けることに繋がるのだと、目の前で見せていただけた。

 

自分に余裕がなかったり、自信がなくなったりすると物事に対して丁寧に接していくことは難しいとは思う。

それでも、それができる人は必ずいるということをしっかり覚えておきたいと思った。

(なにより自分自身も、ファンに対して嬉しい言葉を言ってくださるキャストさんに対して自然に好感を持てたし、キャストさんも作品に対して一体感を持って接している気持ちになれてすごく嬉しかった。いいイベントに行けたと思う。)