みたぬメモ

地味にメモ

「あ、それ私じゃないですね」の一言が言えない

それは唐突に起こった。

連日ちょっと遠出をしているため、今夜もぐったりしており、布団に吸い込まれていた。

しかし化粧も落としていないし風呂にも入っていない、寝るわけにはいかない。

そんなとき自分はTwitterを開くことで無理やり起きていることにしている。とはいえ端から見たら単なるナマケモノのそれでしかないのだが、なんとかして起きようと抗っている。自分の眠気とか色々なものとか。

 

そして眺めていたTLに……それは突然現れた。

 

 

 

「みたぬさんですか〜!?」

 

なんのこっちゃねん。

ツイートと共に添えられた画像を見てみる。なるほど、流行りの匿名で意見や質問といったメッセージを飛ばすことができるサービスの画像だ。

 

内容を見てみる。

 

 

「宅飲みしよ!」

 

 

 

知らん。送ってない。

 

 

ツイート主、Kちゃんとしよう。このまえやっぱり飲んだんだけど、久々に会った彼女は可愛くなっていた。最近体重は落ちたものの、筋肉が落ちていることを心配していた。ちなみに目の前で私がカロリーを摂取しようとしたら「ダイエットはいいんですか?」とニコニコと綺麗な顔で質問してきた。

とにかくそのKちゃんは「宅飲みしよ!」と誘っているのはこの自分だと誤解しているのだ。

これはいけない。勘違いを解くのが紳士のたしなみである。

 

しかしそこで気づいた。

 

Kちゃんは、私を指しているのである。

しかし実際にKちゃんを宅飲みに誘っているのは"私ではない誰か"なのである。

 

もしこれが、これがKちゃんと遊びたがっている誰かが送ったメッセージとして、「みたぬさんですか!?」と返事しているのを見たらどう思うだろう。

「あ、俺 / 私 よりみたぬという、謎のオタクが先に浮かぶんだ……」と、非常に寂しい気持ちを感じるのではないだろうか。自分なら感じる。匿名性のサービスを使った自分が悪いという気持ちを覚えつつも、「私じゃない誰かを先に思い浮かべるの?」などとKちゃんに切なさとかなんかそのへん(眠気で語彙力がすべて後退)の感情を思い浮かべる気がする。

そして困ったことに、名乗り出せない。

「それは私のメッセージです」などとは、謎の「みたぬ」という人物乱入によってそれが果たせない。まるで取り違えられたラブレターのごとく。気づいたら謎の青春劇に巻き込まれている。これはいけない。

 

 

では私が「あっ、それ私じゃないですね」とKちゃんにリプライを送ったら、どうだろうか。

「えっ違うんですか」などと微妙な感情が発生しないだろうか。俺なら発生する。だってそうじゃん、誰かからメッセージ受け取って「あっそれ私が送ったメッセージじゃないですね」などと言われたらなによみたぬの勘違い!こんなメッセージ一つで浮かれちゃって!!みたぬのばか!!!などと布団の中でジタバタしないだろうか、俺ならする。実際疲れすぎていま現在進行形で布団の中に触覚をもぎ取られた虫のごとく横たわっているけど、それでもジタバタする気がする。バタ足ぐらいならなんとかやってみせよう。

 

 

どうしよう、どうしたもんだ。どうしてみたぬの名前なんてまっさきに思い浮かべたんだいKちゃん、私はいま現在進行形で死んだように布団に横たわっていたのだから、可愛い女の子を誘うメッセージを送る元気さなんてカケラも残ってないんだよ。君にはもっと大事な人がいるっぽいよ。匿名で誘うような人間だけど、たぶんいいやつだよ。君はそして西友で買った安い酒で友達と気兼ねなく夜を語りあかすんだ。そして明日も次の日も生きていくんだ。無責任に言っている気がするけど、気のせいだよ。ビートルズのオブラディオブラダの歌詞もそんなこと書いてた気がする。違うかもしれない。

 

頼む名乗り出てくれ匿名でKちゃんにメッセージ送ってくれた人、お気持ち繊細ヤクザをやっている場合ではない、ここにオタクがいたたまれなさに1人布団の中で眠りにつく前に、この日記がKちゃんに読まれる前に真実を全部ここに書いた。っていうか「わたしKちゃんにメッセージ送ってないんだよね」という内容を伝えたいがためにこんなクソブログ書いてごめんな読んでくれたみんな。あとはすべて任せた。

 

その匿名マンがKちゃんと宅飲みできることを全力で祈りつつ、あとはもう「公開する」ボタンを押すだけだ、いやもうひとつ、ツイッターにシェアをするというところまでやらないといけない。えーでもこんな恥ずかしいブログをシェアするのほんま恥ずかしい。

でもまあ、「みたぬさんですか!?」ってKちゃんがツイートしたときに「せやで!!」と反応しないで、ここまで自分をコンテンツに貶める日記を書けるのも才能なのかもしれない。ああでもちょっとつらい。誰かに褒められたい。

っていうか宅飲み誘ってください。そんなことを思った夜でした。締めます。