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読書メモ:『30代にしておきたい17のこと』(追記あり)

休日にヴィレッジヴァンガードをふらふらしていたら、なんとなく目に留まったのでとりあえず読むことにしました。というわけで感想。

総括

言ってしまえば『20~30代の凡人のための本』です。

筆者自身はとっくに30代を過ぎた後に本書を書いたそうで、30代はこういうことがあった。周りの話を聞いてもこんな感じである。だからあなたもこういった人生のイベントが来ると想定してこれからの人生を動きなさい、というよくある自己啓発+哲学を説く本でした。

中身も例えば『自分にとっての幸せを定義しておく』だとか、『自分の親との関係を見直しておく』とか、そんな感じの内容が列挙されています。こまごまとした内容については「まあ、そういう考え方や生き方もありますよね」という具合に概ね同意できるものです。

12年前に発行された本とはいえ、どの章も読みやすいし、今の世の中の価値観でも通用する内容で、人におすすめできると言えばできる本です。30分もあれば読み終えるぐらいライトですし。

 

ただまあどこにでもあるような内容なので、誰かに熱心にこの本を薦めるかと言われたら難しいかな……。

自分はこの本を読んでから一時間後にこのブログを開いたんだけど、「はて、なにか刺さる言葉はあったかな」と思い出そうとしてもなんとなく難しかったです。

しかしながら最後の方にあった『自分の人生の最後、どうなっていてほしいか』とか『人が最後に死ぬときに思うことの大半は『家族ともっと過ごせばよかった』ということ』といった内容は、定期的に思い出しておきたい人生観だなあと思いました。

 

〜〜〜

しかしなんというかここ10年ほど、表立って野心的に生きるように説く人生哲学の本は全然見かけない気がします。

もちろんスマートに生きることも大事ですけど、なんか同じような方向を向いている人を量産していそうな。そんな薄暗さを感じます。

 

 

==追記==(9/19)

 

ちなみに私は自分自身のことを凡人だと思っております。というのも特に何かを成したということもないからです。

だから本書の内容に関して、「私はこんなつまらない器に収まらない!」(?)と斜に構えて読んだというよりかは「うーんまあ確かにこういう感じになるorなっているんだろうな」と、どこか納得というか諦めというか、特に反抗する気持ちもなく読み進めた気はします。

強いて言えば、幼い頃からなんとなく「自分は20歳まで生きているかよくわからない」という気持ちを抱いており、それは別に病気とかではなく、「大人になって働いていたり結婚していたりする自分を想像できない」という気持ちがあって、そういう意味で本書の内容を全部肯定できないなというところはありました。「え、そもそもまだ人生って続くんですか?」みたいな、

以前にもTwitterでつぶやきましたが、大人になっているかわからんという気持ちで10代を生きて、そしてなんやかんやで20歳を超えて生きている今の人生は気持ちの上でどこかサドンデスモードに入っており、「どこまでやっていいものか、やっていくものなのかよくわからない」と、どこか地に足ついていないような感覚で『大人』をやらせてもらっているという気持ちのままです。

 

そういうのもひっくるめて『いい加減あなたもここに書いてあるような、ほとんどの人にあてはまるような凡人として生きていくんだよ』という皮肉のメッセージを込めた本という意味なら、まあおもしろい本だったのかもしれないな、と思い返して追記とさせてもらいました。おわり。