Twitterを使い始めて10年が経った・1
10年も続けてたん……そうか……/ Twitterに登録した日を覚えていますか?#MyTwitterAnniversary pic.twitter.com/aUWRpBS3qu
— みたぬ (@xsrknrx) November 17, 2019
あっという間でもないんですけど、『もう10年か』と、とてもドキドキしています。
こんなに長く、インターネット上のサービスを、しかもSNSをずっと使い続けることって、そうそうないと思います。(なお、私はFacebookはやっていません)
そういったこともあり、いい節目だしとちょっと振り返ってみたいと思います。
長くなったので、前後編で。
Twitterを始める前の話
私が最初に始めたSNSといえば、mixiでした。私がmixiを始めた頃(2006~7年だったかな?)の当時は招待制かつ18歳未満の登録禁止だったんですけど、先輩が誘ってくれて、18歳未満ながらにこっそり入会していました。(時効ということで許されたい……)
そういった(未成年)こともあり、正直『たくさんの人と繋がれる』SNSには興味がなかったものの、mixi自体にはすごく興味を持っていました。その理由は、アーティストの宇多田ヒカルさんが書いたブログにきっかけがあります。
(2006.4.11, 2006.4.12)
こちらのブログによると、宇多田さんが一般の人に紛れてmixiアカウントを取得していて、しかも一般の人たちが運営するコミュニティグループに入っていて、もし自分のことを特定できたらメッセージまで送っていい、という話でした。
これは、当時すごく衝撃的なことでした。
2019年現在では、芸能人の方々が様々なコンテンツサービスにおいて、アカウントを開設しています。けれど当時芸能人のコメントを読むには、その人自身の公式ブログか、ファンクラブ会報/メール配信ぐらいしか手段がありませんでした。
それらのコメントは当然、芸能人からの一方的な発信のみで、我々からリアルタイムかつフラットにメッセージを送り、さらには返信を得られる手段はほとんどありませんでした。
そんな時代に、『mixiに入会すれば、宇多田さんが一般人に紛れているアカウントが見つけられるらしい!』ということは、本当に衝撃的でした。
憧れの芸能人のプロフィール画像はどんなものだ? メッセージも普通に送れちゃうの?公式サイトでは見られない、日記も読めるの? 宇多田さんはネットコミュニティに入って、他の人たちとどんなやりとりをしているの?
今の中高生からすれば『えーそんなのが知りたかったの?w』と言われちゃいそうですけど、そういうものが『知れるかもしれない』という手段があること自体、本当に凄かったのです。(まあこのへんは若さゆえに、憧れの人の情報を色々得たかったということもあるけど)
そのため、mixiに入って宇多田さんのアカウントを探したかったという心情を抱いたのです。けれど、上記の招待制の縛りが問題でした。自分が入れないことに歯がゆさを覚えていました。
そして入った憧れのmixiでしたが……、未成年ゆえに当時はまったく知らない人とも積極的に繋がらず、学校の先輩や、当時自分が運営していたサイトから知り合った(そういえば、pixivもまだ存在しない時代でした)人とだけ、ひっそりとやっていた記憶があります。
初期はクローズドなSNSで、しかも本当は大人しか入れないという空間にいられるというところに、これは言い換えるなら学校や趣味以外の大人ともフラットに、(しかも攻撃的な人はBANされる状況で)やりとりできることに、心地よさを覚えていました。
mixiへの疲れ
それから数年後、mixiに疲れてきました。リアル空間でも共にする、クラスメイトなどとも『マイフレンド』になってきて、招待制もなくなってきた頃でした。
自分の心境は、思い返すとざっとこんな感じでした。
- 照れがあり、それまでよりかは、趣味のことを話題にするのを控えてしまう自分がいたこと
- 当時のmixiには『最終ログイン時間』というものが表示されていたのですが、それによって、『mixiにはログインしているのに、どうしてあの人はメールを返してくれないんだ』といった疑心暗鬼が走ったり、逆もあったこと
- 他人と比較して、『マイフレンド』数を意識する自分がいたこと
- 『あしあと』機能で『誰が見にきたか』『誰がコメントをして、誰がアクションしてくれているか』を逐一チェックする自分がいたこと
いわゆるSNS疲れの先駆けでした。
あと、mixi自体も『あしあと』機能が廃止される・Facebookと遜色ない『つぶやき』が実装されるなど、ユーザーにとって嬉しくないアップデートが起き、前者においては署名活動をするといった息巻いた人たちが暴走している様子を眺めて、その空気感に辟易していたのもあります。『大人なのに、機能ひとつがなくなったこと程度で熱中できるんだな』と、すごく冷めた目で見ていた気がします。
そして『そもそも家に帰って一休み中のインターネットでまで、日中にリアルに出会う人の近況を知りたくなくない?』という気持ちもありました。自分に余裕がない時だと、どうしても、誰かの嫌な面も見えてしまうのも、見せてしまうのも、いやでした。
そして始めたTwitter
その頃に始めたのが、Twitterでした。
『なにを書いてもいい』『匿名でもいい』
このことに今ひとつピンときていませんでしたが、知り合いから『始めてみませんか』と誘いのメールもきていたこともあり(確か当時のTwitterは、メールアドレスを知っている人に始めてみないか?の連絡ができたはず)、知り合いへの対抗心から始めました。(なお、そのときの知り合いとは繋がっていない)
そして私はまもなく、Twitterの心地よさに気づきます。
mixiはフレンドになるために、『あしあと』や『検索』で探り合ってから『フレンド申請』して、それが通ればフレンド、通らなきゃそのまま。という段階がありました。
そういった探り合い期間が楽しい人もいたかもしれませんが、万一クラスメイトに申請を無視されたら、生きた心地がしません。さらに、当時の周りの風潮として『知らない人には安易にフレンド申請しない』というものがありました。インターネットでも、私は狭い世界にいてしまったのです。
それが一方Twitterでは、フォローするかしないかだけで終わり。その人のツイートはお互いにフレンドでなくても読める。なんてフラットな世界なんだ!
たまに有名人がツイートしているのを見て、たまにツイートして、終わり。
『あしあと』もないから、ストーキングの心配もない。知り合いにアカウントを教えなければ、疲れることもないだろう。匿名性で自由にのびのび。
私はようやく『インターネットに帰ってきた』気がしました。
mixiは知り合い限定でのやりとりを楽しみ、Twitterはネットの向こう側の人たちとのやりとりを楽しむ。そうした使い分けをしていました。
それはおそらく他の人たちもそうで、mixiと同じアイコンかつ同じ名前の人が、メールアドレス周りから『あなたの知り合いかも?』とサジェストされていましたが、無視をすれば問題ありませんでした。みんな、無理して繋がろうとしませんでした。
楽しんでいた時期
Twitterを始めた頃は、和やかでした。
『アキバヨドバシにて入ったトイレに、トイレットペーパーがなかったから誰か助けて』という、こちらのまとめ記事に載っている該当ツイートも、リアルタイムで観測したのでよく覚えています。
そういえばまだ公式RT機能もありませんでした。
知らない人たちが、リアルタイムで助けあえる平和な世界。
その可能性がすごく高いと感じさせられたのが、Twitterでした。
とはいえ、ポジティブな面ばかりでもありません。この頃でもすでにTwitter発祥の炎上事件は起きていました。
一番古いもので2009年8月です。でもまだ2009~2010年頃は『バカッター』という単語は存在していませんでした。確か。
「民主党さんの思うとおりにはさせないぜ」 ツイッター軽率発言を産経新聞が謝罪 : J-CASTニュース
3.11
転機が訪れます。3.11です。
避難情報、安否確認、地元の買い物情報。そうしたものを知るのに、mixiよりもTwitterが優れていました。
違いを列挙します。
・mixiは一度セッションを切るたびに、いちいちログインする必要があった
・mixiのつぶやきはリアルタイム性に欠けていた
・mixiから得られる情報は、非常に限定的だった
当時のことはこちらの記事でも触れています。
さて、問題はその後でした。
リアルタイム性がやや低いしmixiは不便だ。メールでも地元の友達とやり取りしていたが、通信の限界も精神の不安もある。
お互い『あのさ、Twitterでも繋がらない?』と言いだすのに、時間はかかりませんでした。
地元の友人、同期、それから遠方の従兄弟とも繋がることになりました。
(とはいえ、地元の友人はそんなにツイートする方ではなかったし、まだ和やかだったと思います)
そして3.11の頃、『不謹慎』ツイートが話題になります。記憶に新しい人も多いのではないでしょうか。
こうして様々な焦りや閉塞感が、Twitterの世界でも徐々に見えてきた気がします。(体感ですけど、その頃からTwitterは使いにくくなったと思います。)
そしてユーザーが増えたからか、Twitter発の炎上も増えます。
なお、炎上史料に関してはこの本を参考にしました。
「ネット炎上対策の教科書 攻めと守りのSNS活用」 小林直樹著
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長くなったのでひとまずここまで。
4,000字ほど書いたのですが、これでもまだTwitterを始めてから3年間ぐらいしか追えてないことにびっくりしています。